宗教の話いろいろ。

インド国内は、様々な宗教が入り交じっています。

真っ先に思いつくのはヒンドゥー教。イスラム教。
南インドへ行けば、キリスト教。

他にも仏教、シク教、ジャイナ教、ゾロアスター教などが
存在します。

簡単な見分け方は、男性なら、『ヒゲ』。
上唇の上に、「えっへん」と言った感じの、上向きのヒゲは
ヒンドゥ教徒。長いあごひげはイスラム教徒の特徴です。
キリスト教徒は、この上記2点に当てはまらない
(ヒゲなし、もしくは、ほどほどの)ヒゲです。すべての男性が、
ヒゲを蓄えているというワケではありませんが、まあ、大抵当たります。

シク教は、(これは主流のカルーサ派に限られるのですが)
髪とヒゲを伸ばし、髪の毛はターバンで包まれているので、
これまた見かけがつきやすいです。

ジャイナ教は、裸行派と白衣派があるらしいのですが、
ここでは裸行の人を時たま見かけます。(中世裸行派の中心地は、
ここ南インドだったりします。)駅に行ったときなどに見かける、
上半身裸でオレンジ色の布をマフラーのように巻き、下半身は
黒っぽい布巻いただけ、これはジャイナ教の皆さんです。

じゃあ女性は?

これは男女共通なのですが、ヒンドゥー教徒はおでこに
『ビンディー(点)』と呼ばれる印があります。なんていうか、
朱や白の粉を、指でペトっとつけたもの。このつけている位置が、
髪の生え際とか眉の間とか、横に3本線とかによって、敬い讃える
神の宗派がわかるそうです。(ちなみに私は
どれがどの神派閥、とか、そこまで把握してませんが。)
あと、既婚女性は、両足の中指に『カーリングラ(指輪)』をしています。

イスラム教徒は、外出時、すぐに見分けがつきます。男性は全身白い服。
女性は服の上から全身を黒く覆う『ヒジャブ』。

メヘンディと呼ばれる、ヘナを使って手などに施される装飾は
ムスリムの女性が楽しみます。

名前にも特徴があり、慣れてくると名前を聞けば、その人が
どの宗教に属するのかわかります。

例えば、
シンシア、アイオナ、ジョジー、エドワード、ジョージア、
と言った、日本人にも比較的言いやすく覚えやすい名前はクリスチャン。

ヒンドゥー教徒になると、スシュマ、サダシヴァ、アナン、アルチャナ、
うまく言い表せませんが、なんていうか、ヒンドゥ〜な名前なんです。
中にはクリシュナ、ビシュヌ、ハリ、なんてヒンドゥーの神と
同じ名を持つ人も居ます。

ムスリム(イスラム教徒)は、、、
ファルハン、アブドゥッラ、ファヒーム、ラティーファ、フィーダ、
ファティマ、サハナ、シェイク。。。なんだか『F』『S』が多い気がします。

ちなみにムスリムの名には、意味があります。
ザイン=良い シェイク=魅力的な男性、といった感じに。
クリスチャンには名に意味はありません。

銀行やお店を見ると、どうやら経営者と従業員は同じ宗教であるようです。
その方が、祝日も統一できるし、親近感や一体感、同士と
感じるからではないでしょうか。

どの宗教も共通しているのは、祈り、瞑想の時間がある事です。

だからこそ、日本人の他宗教ミックス(正月は神道、死んだら仏教式、
ついでにクリスマスも祝っちゃうよ、なんての)は、理解されない事でしょう。

(でもヒンドゥー教に至っては、神様がたくさん存在するので、
彼等には日本のそんな宗教事情も何となくわかってもらえたりします。
だって、弁財天=サラスヴァティ と言う感じに、彼等の神々も
日本にもとけ込んでいますから。)

時々「宗教は何?」と聞かれたときに「無宗教だよ」と答えると、
これまた気味悪がられます。そうですよね。ここでは宗教は
アイデンティティの一つ。祈りは生活と超密着。なのに祈る神も
祈りの時間も持たないのですから。

「正月に神社に行って、お賽銭投げて神にお願い事するよ。」と言うとまた、
「それだけ?1年に1回?!?」と聞かれます。

「どの神に?」と言われるとまた困ります。うーん。。。
学問の神様は、菅原道真。。。って実在した故人じゃん。なんて
なってしまうし、アマテラスの大神、、、神道の説明も難しい。
アミニズムとか、古代イスラエル教に酷似している事とか、、、

なんていうか、寺も神社も混同してる日本人には、何でもいいけど
とりあえず神頼み。ご先祖様も神様みたいな感じ。これの説明は難しいのです。
(しても理解はまあ、されないですね。特にクリスチャンやムスリム。
彼等にとって神は目に見える存在ではないのですから。)

長くなってしまいました。また気が向いたらこの話題にも再度
触れてみたいと思います。読んでくださってありがとう。

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