PM2.5は日本で北京のように問題なのだろうか

こんにちは。

今回は、大気汚染の原因の一つとして懸念されている
PM2.5について考えます。

PM2.5が近年になって環境汚染の一つとしてクローズアップされ、
ニュースなどで放映され、問題点が大々的に報じられています。

中国 特に北京で、PM2.5が大量発生し、PM2.5を原因として
死亡者が出ているほどです。それに伴い、大気の流れから予測した
PM2.5の汚染地図が公表され、日本へも流れてきているようにとれる
マップが報道されました。

以前より、中国からは冬の西高東低の気圧配置の時期に、
風が中国から吹くことによって、黄砂がもたらされてきました。
日本人の中には、この黄砂による花粉症の症状を出す人もいます。

同時期に、同じようにPM2.5がやってくるということは
否定できるものではありません。

しかしながら、日本は中国から相当の距離が離れているのに、
PM2.5が中国から風に乗って流れてきて
それが日本人の健康に深刻な症状をもたらすとは考えにくいものです。

たとえば四日市ぜんそく。1960年代の高度経済成長期に、
工場からの排ガス規制がほとんどなかった時期に、
石油コンビナートなどから大量に出た排気ガスによって
たくさんの人がぜんそくに陥りました。

ところがそれ以外の地域で、ぜんそくなど、四日市の工場が原因で
健康に大きな被害が出たという報告を聞きません。

北京から日本列島までの距離と、日本列島の長さと
同じくらいあるというのに、PM2.5がその距離を
健康被害を及ぼすほどの濃度で到達するとは考えにくいのです。

さらに、北京でPM2.5の濃度が高濃度まで高められたのは、
様々な要因によります。

まず、乾燥していることにより、チリが舞いやすい状況になっていること、
それに加えて、気象状況が穏やかで、大気の流れがほとんどないことによって、
排気設備が整備されていない工場から排出される排気ガスや、
自動車からの排気ガスが北京にたまってしまうことなどです。

風が吹くことによってPM2.5は拡散し、さらに、日本は
北京から千キロメール以上離れているため
健康被害が日本に広まるまでは濃度が高くはならないのではないでしょうか。

PM2.5の定義は2.5マイクロメートル以下の微粒子です。
発生源として、自然界からの発生と、人間が作り出すものがあります。

前者については、火山灰や、花粉、黄砂も原因の一つなのでしょう。
乾燥した地方では、砂埃もPM2.5の原因となる可能性があるからです。

後者については、先にも書きましたが、工場の排気や
自動車の亜硫酸塩、硝酸塩など排気ガスが多くあげられます。
またそれには有機化合物も含まれます。

PM2.5の世界地図を見ると、アフリカ大陸、インド、
南アジア、中国などで季節に応じてPM2.5の濃度が
高くなっていることがわかります。

私たちの住むインドでは、8月はまだまだ雨期であるため、
PM2.5の濃度は現在は低い状態ですが、
乾季は日本もしくはその他のアジア地域と同様の濃度を
示していました。

上記のことから、中国で大気汚染が問題になっていますが、
日本まで中国から大気汚染の原因となるPM2.5が
大量に流れてきて、日本国内で健康被害が発生するとは
考えにくいのです。

PM2.5は近年いきなり増加してきたのではなく、
以前より存在してたにも関わらず、四日市ぜんそくのように
大きな問題にならないのは、大気中のPM2.5の濃度が
健康被害を出すほど大きくないためでしょう。

PM2.5については、過度に懸念するよりも、中国から流れてくる
黄砂や、花粉による花粉症のほうがはるかに敏感な人が多い。

インドでもPM2.5の世界地図からみるとPM2.5が
多い時期があります。しかしながら、PM2.5が
直接健康に影響をもたらしている証拠は南インドでは見られていないのです。
デリーの大気汚染の問題が報じられているが、それらは農産物の収穫が終わった後の
野焼きも原因に挙げられる。

また、日本でPM2.5が問題になるようなら、中国など
国外からの影響というよりも日本国内で発生したPM2.5が
要因であることが多いのではないでしょうか。

関連する記事

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする